収蔵品紹介 Introduction of collections

秋桜老猿

Monkey and cherry blossoms

  • 秋桜老猿S.jpg
作者 橋本関雪 Hashimoto Kansetsu
制作年 昭和13年 1938
種別 日本画 Japanese painting
作品寸法 H 71.0 ✕ W 59.0 cm
備考 橋本関雪といえば「猿」といわれる時代が存在した。これは言うまでもなく、第14回帝展に出品された「玄猿(※1)」の影響にほかならない。各方面で絶賛され関雪の名声を揺るぎないものとした「玄猿」は、陛下のお買上げであるということで関雪自身が封印してしまう(※2)が、その後も絶え間なく関雪の元には猿の画を請う人が訪れ、ついには猿なら断るという自体にまで発展することになる。

猿の画題は何ら特別ではなく古典的なものであるので、明治期から昭和の没年近くまでの関雪作品にも数多く登場している。しかし、「玄猿」登場以降は全くの別格として扱われており「大観なら富士を、関雪なら猿が欲しい」と言われるまでになった。

「玄猿」と呼ばれるクロテナガザル。「霜猿」ニューヨーク万国博覧会に出品された白毛のニホンザル。そして桜とともに描かれる赤毛のニホンザル。これらを「三猿」と呼び、関雪の動物画においての一大要素を構成している。

本作は、哲学の道に今も咲き続ける「関雪桜」に遺された夫人への哀惜も込められているように思う。関雪の描く猿は、すべからく自身を投影した擬人的な存在として描かれている。



※1 「玄猿」は昭和天皇のお褒めに預かり、文部省買上げの後東京藝術大学美術館に所蔵された。
※2「玄猿」は例外として、斯波忠三郎夫人の求めにより同じものを描いたと当時の新聞は報じている。

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